交流会は、私を経営者として育ててくれた「塾」でした
経営者交流会に参加するようになって、一年になります。
この一年で交換した名刺は、なんと500枚を超えました。
交流会で知り合った方や、その方からご紹介いただいた方との1on1も、30件以上になります。
数字だけを見ると、「たくさんの人と出会った一年」と表現できるかもしれません。
しかし、私が交流会で得たものは、名刺の枚数や仕事につながる人脈だけではありません。
最も大きかったのは、私自身の意識が、
「介護事業所の管理者」から
「会社の代表取締役」へと変わったことでした。
ケアマネジャーの「連携」範囲は、意外と狭い
ケアマネジャーの仕事では、よく「連携が大切」といわれます。
私自身も、利用者さんを支援するうえで、多職種との連携を大切にしてきました。
医療機関、介護サービス事業所、地域包括支援センター、行政。
日々、多くの関係者と連絡を取り合いながら仕事をしています。
しかし、経営者交流会に参加して気付いたことがあります。
私たちケアマネジャーが考える「連携」は、介護、医療、福祉、行政という、比較的限られた世界の中にとどまりやすいということです。
もちろん、その連携は非常に重要です。
一方で、仕事と介護の両立支援を企業へ届けようと考えたとき、その世界の中だけにいては出会えない人たちが大勢います。
経営者、人事担当者、社会保険労務士、税理士、保険、金融、不動産、IT、広告、教育。
企業が抱える課題や、経営者が日々考えていることは、介護業界の中にいるだけでは見えてきません。
私は交流会に参加して初めて、自分がこれまで、限られた範囲の中で仕事をしていたことに気付きました。
小さな交流会での出会いが始まりだった
きっかけは、昨年7月に初めて参加した、小さな経営者交流会でした。
そこで声を掛けてくださった方との出会いをきっかけに、全国にエリアを持ち、現在も拡大を続けている経営者交流会へ入会することになりました。
その方が、ちょうどエリアの代表に交代するタイミングでもありました。
運営に関わってみませんかと声を掛けていただき、私は、
「お役に立てるのであれば」
という気持ちで、運営委員を引き受けました。
その時点では、まさか一年後に、自分が人材開発委員長という役割をいただくことになるとは、想像もしていませんでした。
私にとっては、まさに目からうろこの展開でした。
私は「代表取締役」であることを忘れていた
介護事業所を運営していると、日常的には「管理者」「ケアマネジャー」として仕事をする時間が大半です。
利用者さんの相談を受け、ケアプランを作成し、サービス事業所と調整し、行政への届出を行う。
私自身も、長い間、自分を「居宅介護支援事業所の管理者」として捉えていました。
もちろん、私は会社の代表取締役です。
自分で会社を設立し、経営判断をし、最終的な決裁権を持っています。
それでも、日々の介護支援に追われる中で、自分が経営者であるという意識は、どこか後ろへ下がっていました。
経営者交流会では、相手も経営者です。
会社の規模や業種、年齢、経験年数は異なっても、お互いが会社を背負い、決裁権を持つ立場として向き合います。
誰かの部下としてでも、介護事業所の管理者としてでもなく、一人の経営者として対等に、そして互いに尊敬を持って付き合う。
その関係性は、私にとって非常に新鮮でした。
交流会に参加するたびに、
「私は会社の代表なのだ」
という意識を取り戻していきました。
「できない」ではなく、「どうすればできるか」
交流会で特に強く感じたのは、経営者の皆さんが持つエネルギーです。
ビジネスに対して前向きで、チャレンジ精神が旺盛。
新しい役割を任されたときも、すぐに「できません」とは言いません。
まず、
「できるようにするには、どうすればよいか」
を考えます。
もちろん、全員が最初から自信を持っているわけではないと思います。
経験したことがない役割や、不得意なこともあるでしょう。
それでも、できない理由を並べるのではなく、必要な方法を考え、人に聞き、準備し、実行します。
そのエネルギーに触れているうちに、私自身も良い意味で、その渦に巻き込まれていきました。
「私なんて」という逃げ口上が消えていった
交流会へ入会した当初、私には抵抗を感じる役割がいくつもありました。
80人から100人規模の定例会で登壇すること。
初めて会ったゲストさんを、テーブルリーダーとしてマイクを持ってご紹介すること。
新しく入会した方をフォローすること。
大勢の前で話すことも、初めてお会いしたゲストさんをPRすることも、最初から自信があったわけではありません。むしろ自信が持てず、負担に感じていた時期が続きました。
何かを依頼されたとき、以前の私であれば、
「私なんて」
「やったことがないので」
「もっと適任の人がいるのでは」
と考えていたと思います。
けれど、周囲の経営者が役割に挑戦する姿を見ながら、自分も一つずつ経験してきました。
最初は緊張していた登壇も、今では少しずつ「いつものこと」になりつつあります。
受付や新入会者のフォローも、経験するほどに、役割の意味や相手への配慮が分かるようになりました。
気付けば、
「私なんて」
「やったことがない」
「もっとほかの人が」
という逃げ口上は、私の脳内からほとんど消えていました。
できるか、できないかではなく、
「引き受けたなら、どうすれば役割を果たせるか」
と考えるようになったのです。
20代、30代の経営者から受ける刺激
介護業界で仕事をしていると、関わる相手の年齢層や職種には、ある程度の偏りがあります。
経営者交流会では、介護業界にいるだけでは出会う機会の少ない、20代、30代の経営者とも一緒に活動しています。
若い経営者の皆さんは、とてもエネルギッシュです。
それだけでなく、物事を捉える力があり、判断が速く、相手への伝え方もよく考えられています。
デジタルツールや新しいサービスを柔軟に取り入れ、事業の成長に向けて動き続けています。
私は、そのフレッシュさとクレバーさに、日々惚れ惚れしています。
年齢や業界を超えて、一緒に運営に関われることを、とても光栄に感じています。
私の方が年上であっても、教えていただくことは数え切れません。
年齢ではなく、それぞれが持つ経験や強みを尊重し合えることも、交流会の魅力だと思います。
顧客との出会いだけが、交流会の価値ではない
経営者交流会というと、
「仕事につながる人と出会う場所」
「顧客や紹介者を探す場所」
というイメージを持つ人もいるかもしれません。
確かに、仕事につながる出会いもあります。
私も、仕事と介護の両立支援について説明する機会や、介護離職防止に関心のある経営者をご紹介いただく機会が増えました。
しかし、顧客との出会いだけを目的に参加していたら、私はここまで交流会に魅力を感じなかったと思います。
交流会には、自分の考え方や行動を変える力があります。
人前で伝える力。
相手の事業を理解する力。
人を紹介し、つなぐ力。
役割を引き受け、責任を果たす力。
経営者として自社の事業を言葉にする力。
これらは、セミナーで話を聞くだけでは身に付きません。
実際に役割を持ち、行動し、ときには失敗・反省しながら身に付けていくものです。
交流会は、スパルタで私を育てる塾
私にとって経営者交流会は、スパルタで私を育ててくれた塾のような存在です。
参加費は、私にとって「塾代」だと思っています。
その費用を払ってでも参加したい。
これからも学びたい。
そう思わせる、言葉では表し切れない何かがあります。
人から刺激を受け、自分も動く。
役割を与えられ、挑戦する。
挑戦したことで、これまでできなかったことが、少しずつ日常になっていく。
この一年、交流会に参加しなければ経験できなかったことが数多くありました。
ワークサポートケアマネジャーにこそ、外の世界へ出てほしい
ワークサポートケアマネジャーは、働く人と企業を支援する役割を担います。
そのためには、介護の知識だけでなく、企業がどのように動いているのか、経営者が何を考えているのかを知る必要があります。
介護業界の中だけにいて、企業のことを想像するのには限界があります。
経営者と直接会い、話を聞き、一緒に活動することで、初めて見えてくることがあります。
ですから私は、ワークサポートケアマネジャーの皆さんにも、ぜひ経営者交流会へ参加してみてほしいと思っています。
もちろん、顧客との出会いも一つの目的です。
しかし、それ以上に大きいのが、マインドセットを切り替える機会になることです。
「支援者」としてだけでなく、自分自身も事業を届ける側であること。
待っているだけでは、必要な人にサービスは届かないこと。
できない理由を探すのではなく、できる方法を考えること。
自分の活動を言葉にし、介護業界の外へ伝えていくこと。
交流会は、それらを実践の中で学べる場所です。
この一年で得たものを、次の一年へ
交流会へ参加した一年前、私は今の自分を想像していませんでした。
運営委員として活動し、大勢の前で話し、新入会者を支援し、そして来月からは人材開発委員長という役割をいただく。
どれも、最初から自信を持ってできたことではありません。
周囲の方に支えていただきながら、一つずつ経験してきた結果です。
経営者交流会は、私に仕事の機会だけでなく、経営者としての意識と、行動する力を与えてくれました。
介護の世界で培ってきた経験を、企業や社会へどのように届けていくか。
その方法を学び、実践する場にもなっています。
次の一年も、いただいた役割に誠実に向き合いながら、多くの経営者の皆さんから学び続けたいと思います。
そして、そこで得た経験を、仕事と介護の両立支援や、ワークサポートケアマネジャーの活動にも還元していきます。
